課題10-02 電流・電位・電気量の測定とファラデーの法則の実験手順書の作成と電気量の計算学籍番号:18512574 氏名:長谷川湧哉  
 

課題10-02 電流・電位・電気量の測定とファラデーの法則の実験手順書の作成と電気量の計算

 
学籍番号: 18512574

氏名:長谷川湧哉
 

1.設問

問1.電流・電位・電気量の測定とファラデーの法則の実験手順を自分が実際に実験をするときの手順をイメージして、実験手順書を作成してください。
問2.電流・電位・電気量の測定とファラデーの法則のクリップに銅をメッキする実験について、メートルブリッジを組み立て、電圧を制御する操作の実験手順書を、自分が実際に実験をするときの手順をイメージして、記述してください。
問3.実験データから、電気量を計算して、その計算過程と計算結果を記述してください。
問4.クリップにメッキされた銅の重さは2.9mgであった。問3の計算結果を用いて、電流効率を計算し、計算過程と計算結果を単位を含めて回答しなさい。

 

2.回答

問1
硫酸銅・5水和物を約0.37 gを時計皿と薬さじを使い量り取る。
ビーカーに量り取った硫酸銅・5水和物を入れ、洗瓶内の純水を少量用い、時計皿と薬さじに付いた硫酸銅・5水和物も洗い流し同じビーカーに入れる。
ビーカーの3 mLの目盛まで純水を加え、0.5 mol/dm3の硫酸銅水溶液を3 mL作る。
ゼムクリップ2つを洗浄、乾燥した後、精密電子天秤でゼムクリップの質量を0.1 mgの桁まで読み取り記録する。
ゼムクリップ2つをダブルクリップ, 4 mmワッシャー付きネジ, 4 mmナットを用いて、先に調製した硫酸銅水溶液が入っているビーカーにゼムクリップの一部がビーカー内容液に浸かるように固定する。
図1のような回路を作り、ゼムクリップに通電する。


図1 回路図


通電と同時にストップウォッチで時間を測定し始め、定期的にその時間における電流をプロットする。
ゼムクリップに3.0 mgの銅メッキがされたところで通電を止め、ゼムクリップを取り出し、洗浄・乾燥する。
乾燥後めっき後のゼムクリップの質量を精密電子天秤で量り、0.1 mgの桁まで読み取り記録する。
メッキ前のゼムクリップの質量とめっき後のゼムクリップの質量からメッキの質量を計算する。
廃液等の処理をした後、プロットから実験中の全電気量を計算する。
銅メッキの質量から理論電気量を求める。
求めた実際の電気量と理論電気量から電流効率を求める。

 

問2
テスターのリード棒同士をつけ、0 Vが表示される事を確認する。
テスターを用いて、電池の電圧をそれぞれ測定した後、電池同士を直列つなぎにし、両端の電位差を測定する。
直列つなぎにした電池の+側をスイッチの一端に繋ぎ、スイッチのもう一端を抵抗尺の100と書かれている方につなぐ。
電池の-側を抵抗尺の0と書かれている方につなぐ。
テスターのリード棒(黒)を抵抗尺の0の方へ、リード棒(赤)を抵抗尺の100の方へ付け、スイッチを入れ電圧を測定する。
スイッチを切り、リード棒(赤)を抵抗尺の途中にある端子に繋ぎ、スイッチを入れ、接触子を移動させ抵抗尺のいくつかの位置での電圧を測定することで、メートルブリッジ(抵抗尺)の動作確認をする。
図1のような回路を作り、リード棒(赤)を電流計に、電流計を1つのゼムクリップに繋ぎ、電流計につながっていない方のゼムクリップと抵抗尺をつなぐ。
この時抵抗尺のどの位置につなぐかを変えることで、電圧を変え、電圧を制御する。

 

問3
今回得られた実験データは図2のようになった。


図2 実験データ


電気量は電流 [A]×時間 [s]で求められる。
つまり今実験における電気量は図2のプロットをつないだ線よりも下の面積を計算すればよい。
まず、時間t=0~150 sでは常に15 mA、つまり0.015 A程度の電流が流れているため、この時間の範囲での電気量は150×0.015=2.25 Cとなる。
t=150~360の範囲では、15 mAを超えている部分と15 mA以下の部分に分けて計算する。
15 mA以内の部分の電気量は、(360-150)×0.015=3.15 Cとなり、15 mAを超えている部分の電気量は、(3+8)×0.003÷2+7×0.003÷2+6×0.002÷2=0.033 Cとなる。
よって、t=150~360での電気量は3.15+0.033=3.183 Cとなる。
t=360~420の範囲では3 mAを超えている部分と3 mA以下の部分に分けて考える。
3 mAを超えている部分での電気量は(390-360)×0.012÷2+(420-410)×0.019÷2=0.275 C、3 mA以内の部分での電気量は(420-360)×0.003=0.18 Cとなり、t=360~420の範囲での電気量は0.275+0.018=0.455 Cとなる。
t=420~480の範囲では17 mAを超える部分と17 mA以内の部分に分けて計算すると、17 mAを超える部分の電気量は(480-420)×0.005÷2=0.15 C、17 mA以内の部分の電気量は(480-420)×0.017=1.02 Cとなり、t=420~480での電気量は0.15+1.02=1.17 Cとなる。
t=480~570の範囲では常に16 mA程度の電流が流れているので、電気量は(570-480)×0.016=1.44 Cとなる。
以上より、合計の電気量は2.25+3.183+0.4551+1.17+1.44=8.50 Cとなる。

問4
二価の銅イオンが電子を受け取り銅が析出する反応式は、Cu2++2e-→Cuとなる。
銅の原子量を63.55とすると、銅メッキの質量が2.9 mgであった事から、銅メッキは4.56×10-5 molに相当する。
反応式より、銅1 molの生成に電子は2 mol必要となるので、今回消費された電子は9.12×10-5に相当する。
ここで、ファラデー定数を9.65×104 C/molとすると、理論電気量は9.65×104×9.12×10-5=8.80 Cとなる。
この結果と問1で求めた実際の電気量から電流効率は8.50÷8.80×100=96.6 %となる。