エネルギー化学

電気分解による泳動と拡散をを可視化しよう

溶液中をイオンが移動するときは、対流、 拡散、泳動しかありません。 それを可視化してみましょう。

食塩水に紫キャベツの色素を入れ、寒天で、プラスチックカップに固める。

寒天が固まったら、10円玉と1円玉を載せる。 10円玉と1円玉は意図的に短絡し、局部電池になるようにする。

1時間ごとに寒天の色の変化をスケッチする。

寒天とアガロースゲルの違い
電気分解:寒天と紫キャベツ色素を用いて
電気泳動の可視化 高校生物実験
【自由研究おたすけキット】寒天で電気分解しよう
【自由研究おたすけキット】寒天で電気分解しよう

イオンの移動

  1  イオンの移動
形態 説明 流動
対流 重力・動力(撹拌)
🖱 泳動 電位勾配/ クーロン力/導電率 位置エネルギーを最小に 慣性支配
🖱 拡散 濃度勾配/拡散係数 エントロピーを最大に 拡散方程式 拡散過電圧 粘性支配

拡散と対流は、イオン移動だけでなく物質移動でも起こります。拡散はイオン移動だけでなく 熱移動でも起こります。


拡散方程式

  1 拡散方程式
© K.Tachibana


✏ 課外報告書 Web Class

課外報告書の書き方について

課外 報告書 は、感想文ではありません。 データ の提示方法を工夫することで、 共著者の役割 の感情や思想を創作的に表現してください。 データ は、単なる実験事実や科学的数値です。 しかし、結果は、 著者による創作的な表現であり、 著作物です。

  1. できるだけ短く簡潔に。
  2. 事実をあるがまま(客観的)に。
  3. 感想や思い(主観)を交えない。
  4. 🆖美味しかった。🆖面白かった。
  2 報告書作成の心得
  1. 課題を確認する。
  2. 報告書 の主題(テーマ)を決める
  3. 報告書 の素材( 参考文献データ)を集める 1 )
  1. 報告書構成 (緒言、 方法、結果の内容) を考える
    1. 緒言 は、出典の明らかな 出版物 から。参考文献を明記する。
    2. 方法 は、読者が追試できるように具体的に過去形で書く。
      🆖多めのお湯を注いだ⇒🆗1000mL、100℃のお湯を注いだ
      🆖適宜、適量、約
      🆖ゆでて水にさらす⇒🆗ゆでて水にさらした
  2. 本文の執筆(下書き、草稿)をする。
  3. 見直し(推敲)をする。
  4. 清書(脱稿)して、提出(報告)する。
  3 報告書作成と提出の流れ

課外報告書は、学習保証時間8時間を要件とします。 期末にWebClassに提出する成績評価申請書には、主題の決定から、脱稿までの、それぞれに要した時間も含めてもらます。 データは、三現主義(現場・現物・現実)にのっとって収集してください。


課外報告書を広く役立てよう

学校教育法第百十三条に、 「大学は、教育研究の成果の普及活用の促進に資するため、その教育研究活動の状況を公表するものとする。」 とあります。

提出して終わり、ではもったいありません。 評価のための提出ではなく、誰かを笑顔にする取り組みにしてみませんか?

取り組んだ内容について、ぜひ、友人、知人、家族など広く伝えて役立てましょう。 また、意見やアドバイスを積極的に取り入れましょう。 査読された内容ではありませんが、 SNSなどで伝えていくこともいいでしょう。 ホームページで公表することも推奨します。 そのやり方は、 情報処理概論の演習を活用してください。 公表にあたっては、ネットストーキングの被害などから身を守る工夫をしましょう。

評価のために提出するだけでは、それを誰かが複製して利用することはありません。 複製して利用する価値があるとき、複製する権利は、著者にあり、それを著作権と言います。

評価を得るために他人の著作物を複製行為は、著者の著作権の侵害となります。 また評価をえなかったとしても、他人の著作物の剽窃行為は、倫理的にいかがなものかと思います。


課外報告書に複数で取り組む場合の注意点

課外報告書に取り組むにあたって、複数人で取り組むことはかまいません。コミュニケーションをとって、チームとしてプロジェクトに取り組んでください。

報告書は、個人の著作物です。 協働でテーマに取り組んでも、ひとりひとりが独立に報告書を作成し、提出してください。

複数人で取り組んだことを明らかにするため、共著者として、共同研究者を書いてください。執筆者(提出者)を筆頭著者としてください。 共著者の役割を明らかにしてください。

慣例にしたがう引用は、かまいませんが、自分が執筆した部分と、共同研究者の著作から引用した部分が、区別できるようにしてください。その部分を、実際に誰が執筆したのか、明らかでないような、引用の仕方(コピペされているのに、誰が書いたかわからないような状態)は、ご遠慮ください。

図や写真は、独立した著作物とみなされます。その場合は、引用ではなく転載となります。たとえば、写真は撮影者に著作権があります。許諾をとったうえで、自分以外の共同研究者が撮影した写真を掲載する場合は、著作権のクレジットを明記してください。もちろん、協働制作物を、それぞれが写真に撮影した場合は、それぞれが、それぞれの写真の著作権を持ちますので、クレジット表記は必要ありません。

著作物とは、著者の感情や思想を、創作的に表現したものです。それを踏まえて、報告書を作成してください。

  2 研究不正(FFP)
項目 説明 事例
捏造 (fabrication) 実験していない データ を、でっちあげて、あたかも実験した データ のように表現してはいけません ディオパン事件 2 ) 3 )
改ざん (falsification) データ や情報を都合のいいように書き換えてはいけません
盗用・剽窃 (plagiarism) 他人の 論文 やアイディアなどを無断でコピペしてはいけません。 デジタル技術の発達で、コピペが簡単になった分、盗用も簡単になりました。 たとえ、自分の既発表 論文でも、 引用 4 ) ではなくそのまま流用すると「自己剽窃」です。 図表 は、引用ではなく、転載なので原則として、転載許諾が必要です。
二重投稿 一度、公表した内容を使いまわしてはいけません。
不適切な オーサシップ 貢献していないのに、 著者として名を連ねてはいけません。 名義貸しです。名義借りはだめです。 他人の 論文や報告書を、代筆していけません。 *
査読不正 著者が、匿名査読者になりすまして査読してはいきません。 匿名査読者を特定し、査読に影響を与えてはいけません。 査読者が、査読中の論文の内容を、自分の内容として公表してはいけません。 ハゲタカジャーナル、ハゲタカ学会に投稿してはいけません。
不正行為の証拠隠滅 不正行為があったことの証拠を隠滅したり、立証を妨害してはいけません。

* *


課外報告書の配点と取り扱いについて

課外報告書の配点は一律10点加点です。

単位数を2単位とすると、2×30時間が標準学習保証時間です。 最低学習保証時間のほかに、取り組んだ内容1件につき一律10点加点します。 2×30時間を100点満点とし、そこから最低学習保証時間を差し引いて、10点で割ると、 課外報告書の標準的な学習時間が計算できます。 つまり、課外報告書の学習保証時間は、8時間(約1日)です。 十分な時間をかけていない報告書の提出は、不正行為として扱うこともあります。 また課外報告書は、教室でやれない課外活動の報告です。 現場・現実・現物などの実態を伴っていない報告書の提出は、不正行為として扱うことがあります。

予習報告書は、課外報告書として申請できます。 設問ごとに別々の報告とすることはできません。その場合は、二重投稿(自己盗用)の不正行為として扱うことがあります。

成績評価申請書では、書誌情報、課外報告書の要旨(アブストラクト)、費やした時間(学習保証時間)、かかったコスト、現場・現実・現物のエビデンスなど指定された要件を申告してもらいます。


参考文献