機器分析学Ⅱ
 Instrumental Analytical Chemistry II
 担当教員:伊藤智博(ITO Tomohiro)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)物質化学工学分野
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:物質化学工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業の目的】
1.工業を支える機器分析の基礎知識を学ぶ.
2.技術者として産業の現場で必要とされる機器分析関連の知識を学ぶ.
3.化学や品質管理で必要とされる機器分析関連の知識を学ぶ.
4.問題解決のための機器分析の考え方を学ぶ.

【授業の到達目標】
1.機器分析の基礎的な事項について適切に説明し,論述できるようにする.
2.目的に見合った費用で機器分析を行えるようにする.
3.産業の現場での応用事例に関する知識を習得し,分析機器を使えるようにする.
4.分析機器の較正や分析手法の標準化に関する知識を習得し,適切な分析結果を得れるようにする.

【授業概要(キーワード)】
分析機器,較正,状態計測,物理計測,物性計測,データベース,記録,センサー,アナログデジタル変換,品質管理,異物,精度,確度,誤差,センサーネットワーク,材料分析,モニタリング

【科目の位置付け】
この授業は、山形大学・ディプロマ・ポリシー に則り、機器分析学に関する基礎的運用能力を培う。 また、工学部・ディプロマ・ポリシー に則り、課題に対し、論理的な思考により、計画的にグループで物事を進めて解決を導く能力を身につける。 さらに 物質化学工学科の学習・教育目標「(C)データ収集と解析および問題解決能力の育成」 に則り、修得した専門知識や技術を問題解決に応用できる能力を身につける.

【授業計画】
・授業の方法
スマートフォンやWebClass,Google+を活用し,演習を含めた授業を行う.
・日程
1. 分析機器の歴史と分析機器の較正 -JIS規格と計器が示している値-
2. 物理計測 -長さから顕微鏡で見つめる細菌-
3. 状態計測 -反応器の状態を監視せよ!-
4. 測定値の変換と伝送 -センサーの精度、確度、寿命-
5. 測定値の記録と管理 -記録メディアとデータベース-
6. 品質管理と機器分析 -異物・断線・不純物と工業製品-
7. 機器の導入、運用、保守と費用対効果 -分析機器は商品を安くできるか?-
8. 液体材料の成分分析 -エネルギーを与えて情報を得よう-
9. 固体材料の成分分析と組織分析 -X線分光法,粒度分布,顕微鏡ー
10. 分散系や複合材料の分析 -粘度,粘弾性,ポワソン比-
11. 表面や界面や分析 -密着性試験,表面堅牢性-
12. 物性計測 -導電率,誘電率,磁率,磁化率,熱伝導性-
13. 製品の特性評価 -電池のインピーダンスと活物質分析-
14. 安全性試験と劣化解析 -燃焼試験,加速度試験,下水モニタリング-
15. まとめと論文作成

【学習の方法】
・受講のあり方
私語,飲食,喫煙のほか,他の受講生の迷惑となる行為は慎むこと.板書は最低限しか行わないので,リスニングによってのノートをとるスキルを身につけておくこと.講義中にテキストを音読させるので読めない漢字はふりがななどを書きこむとよい.
受講ノートの写しをアップロードする際は、学籍番号、氏名、受講エビデンス以外の個人情報が映らないよう撮影してください。 教科書の余白に書き込んだ場合、著作権侵害ならないよう撮影してください。 端末を所有しない方が代理アップロードする場合、その理由を明示してください。 端末やネット環境の不具合があった場合、 当該授業を行う教室等以外の場所から アップロードすることができますが、その場合はその理由を明示してください。 受講ノートのアップロードは「本学が実施する試験等」と同等の扱いとします。 代筆、署名のなりすまし、自己の責に帰する当該授業を行う教室等以外の場所からアップロードは 不正行為として扱います。
病気,忌引きなどによる自己の責によらない欠席・遅刻・早退については早めに理由を文書により提出してください. 就職活動による欠席は自己の責として扱います.
・授業時間外学習へのアドバイス
工場見学などの講義時間では実施できない学習は加点とする.単位認定試験期間実施時に簡単な報告書を提出すること.

【成績の評価】
・基準
機器分析の基礎的な事項について適切に説明し,論述できることを合格の基準とします.
・方法
山形大学学部規則に基づき 平常の成績をもって合格の基準とし,平常の成績と報告書によって成績を審査します.出席システムでの出席が67%以上,WebClass,Google+への登録,履修証明に値する受講ノートの提出で単位認定(60点)とする.但し,履修過程において不正行為が発覚した場合は,ただちに大学へその事実を報告し,成績評価の対象外とする.

講義最終回の履修者本人による単位認定申請書(連帯保証人の署名つき)の提出で単位認定(合格=60点)します.
授業時間内の加点対象の平常点で加点します.初回に指定した教材を準備した人に加点する(指定教材のテキストには,自筆署名があり,他人の署名がないこと).論文の提出・公表で加点します.受講成果をホームページへ公開した人に加点する.

【テキスト・参考書】
テキスト:イラスト図解 工場のしくみ,松林 光男,渡部 弘,日本実業出版(2004)
テキスト:工業技術基礎,小林一也,実教出版 (2002)
テキスト:新版 入門機器分析化学,庄野利之・脇田久伸 編著,三共出版(2015).
参考書:P. W. Atkins,J. de Paula著,千原秀昭,稲葉章訳,アトキンス 物理化学要論(第5版),東京化学同人(2012)
参考書:木村優・中島理一郎著、分析化学の基礎、裳華房(1996)
参考書:分析機器の手引き:(社)日本分析機器工業会(JAIMAホームページにて公開中 http://www.jaima.or.jp/jp/tebiki/index.html)

【その他】
・学生へのメッセージ
この講義では,演習に学術情報基盤センター発行のアカウントを使うので各自で確認しておくこと.Google+を使った授業成果の公表では個人情報を書きこまないようにしてください.
・オフィス・アワー
木曜日16:00~17:00, 3号館3-3301号室
※オフィスアワーや居室は予告なく変更となることがあります。学科HPや掲示板等で確認してください。

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