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Fig.1に二オブアノード酸化皮
固体電解コンデンサ用二オブアノード酸化皮膜の自己修復に及ぼす二酸化マンガンと水分の影響
の単元です。
小単元
概要
Fig.1に二オブアノード酸化皮膜上に何も被覆していない二オブ旗型電極(試料A)と,二オブアノード酸化皮膜上に二酸化マンガンを被覆した二オブ旗型電極(試料B)を,水分濃度が50ppm以下と2000ppmの1mol?dm-3 LiClO4/EC+DECの有機電解液中にて1mA?cm-2定電流でアノード分極したクロノポテンショグラムを示す.実験はそれぞれの条件について少なくとも2回行い,そのうち代表的な値をFig.1に示した.また以下の本文中に記した電位は,再現性の範囲として記載している.
分極開始直後は最大30V付近までほぼ瞬時に電位が上昇しているが,これはリン酸水溶液中であらかじめ作成した20V vs Ag/AgClの酸化皮膜が有機電解液中でも安定に存在しているためである.その後電位が上昇する場合は有機電解液中でも新たな酸化皮膜が生成するが,電位が上昇しない場合は有機電解液中で新たな酸化皮膜が生成できないことを意味する.水分濃度が50ppm以下の場合は, 分極開始直後の電位ジャンプ後に電子なだれによる電解が起きるため電位上昇が見られずに25Vから28Vの間で一定になっている.このことは,新たな酸化皮膜の生成ができない場合に相当しする.水分濃度が2000ppmでは分極後に電位は緩やかに上昇した後, 電子なだれによる電解が起きるため44Vから48Vで一定になっている. このことは,新たな酸化皮膜が生成する場合に相当する.
いずれの場合も分極200秒後には,ほぼ一定の電位になっているため,そのときの電位を比較することにより二酸化マンガンと水分の影響を数値として比較した.分極200秒後の各条件での電極電位をTable 1 に示す