アルミニウム集電体の接触抵抗の低減
有機電解液中におけるアルミニウム集電体炭素合剤の接触抵抗の評価
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概要
したがってアルミニウム集電体の接触抵抗を下げるには、皮膜厚みを薄くする、より界面抵抗を下げる炭素材料を選ぶ、などの方法が考えられます。しかし皮膜厚みは電池の充電時で厚みがほとんど支配されてしまうので、せいぜいアルミニウムの組成や化成処理によって皮膜の組成を制御することになります。銀や銅を含むアルミニウムは抵抗が大きくなり、コバルトやモリブデンを含むアルミニウムは耐食性が低下します。熱処理はそれほど抵抗を変化させませんが、沸騰水処理(ベーマイト処理)は極端に抵抗を大きくします。ストラクチャーの発達した炭素材料は抵抗の低下に効果がありそうですが、まだまだ議論の余地があります。エッチングによる拡面処理は静電容量の増加には効果がありますが、接触抵抗の低下には注意が必要です。集電体の凹部に電気力線の集中が起きると、その部分の電流密度が増大し、電場強度が大きくなって、電圧降下につながるからです。より効果的に電流を流すには導電率の大きい側に凸部を、導電率の小さい側に凹部ができるよう界面設計することが大切です。