フッ化物イオンと高電場機構によるアルミニウムの不働態化
有機電解液中におけるアルミニウム集電体炭素合剤の接触抵抗の評価
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概要
酸化物イオンの存在しない有機電解液中でアルミニウムが不働態化するには、溶媒ではなく溶質のアニオン中のフッ素がアルミニウム皮膜生成に一役買います。ニオブやタンタルはフッ素が存在すると腐食してしまうのに、アルミニウムはバリア型のフッ化皮膜を生成します。そのときの皮膜成長速度はファラデーの法則に従い、電流密度の対数は皮膜に印加される電場強度に比例します。その比例定数が有機電解液中と水溶液中で異なること、PF6からBF4にアニオンに変えてもはほとんど同じであることから、皮膜|電解液界面でアニオンが皮膜に浸透する活性化エネルギーが酸化物イオンとフッ化物イオンで異なると考えられます。ブレークダウン電位は容積分率の大きいフッ化皮膜の方が小さくなります。電解液の導電率の対数に比例してブレークダウン電位が小さくなることは有機電解液でも水溶液でも同じです。
【関連講義】卒業研究(C1-電気化学2004〜),有機電解液中でのアルミニウムのブレークダウン@20101)