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晶系と格子定数
無機固体化学
の単元です。
小単元
概要
「晶系」・・・単位格子の外形による分類のこと。
NaCl型構造やCsCl型構造、閃亜鉛鉱型構造は、すべて「立方晶系(等軸晶系)」という晶系に属する。
単位格子の辺に沿ってa,b,c軸をとり、bc, ca, ab軸がなす角をそれぞれα、β、γとする。このときのa, b, cおよびα,β,γ(これらを「格子定数」という)がどのような数値をとるかによって、単位格子を7つの晶系のいずれかに分類できる。
a = b = c, α = β = γ = 90°であるような結晶構造は立方晶系に属する、という。
a = b≠c, α = β = γ = 90°(サイコロを一方向に伸ばした形) → 正方晶系
a≠b≠c, α = β = γ = 90°(一般的直方体) → 斜方晶系
a = b≠c, α = β =90°, γ=120°(六角柱の1/3) → 六方晶系
a = b = c, α = β = γ≠90°(サイコロを体対角線に沿って伸ばした) → 菱面体晶系
a≠b≠c, α = γ = 90°, β≠90°(直方体の牛乳パックをななめにずらした)→単斜晶系
a≠b≠c, α≠β≠γ (一般的平行6面体) → 三斜晶系
*晶系についてはここで暗記する必要はない。言葉を聞いたことだけ記憶に留めれば良い。
「格子定数」・・・単位格子の形と大きさを表現している数字の組み合わせのこと。
NaCl(という物質)の場合、a=b=c=5.64056Å、α=β=γ=90°が「格子定数」となる。