リチウムイオン二次電池の正極集電体にはアルミニウムが使われる。抵抗率が2.655E-08 Ωmと小さく、密度も 2698kg/m3と小さいため電池の軽量化が見込める。しかも加工性に優れ、コストも経済的に見合ったものとなる。さらにフッ素を含む有機電解液中で充電時にアノード分極されてもフッ化皮膜を生成して不働態化し、耐食性を保つリチウム電池駆動用電解液中におけるアルミニウムの不働態化1)。加えてこの不働態化皮膜は電子絶縁性なので電解液を分極による分解から保護する。
【卒業研究】
かわだは、2012年に、それまでの研究をアルミニウム集電体の皮膜形成に対するプライマー塗布の効果(仮)というテーマで修士論文としてまとめ、山形大学を卒業したアルミニウム集電体の皮膜形成に対するプライマー塗布の効果(仮)3)。
○及川俊他,…らは、2011年に東北大学川内北キャンパス(宮城県仙台市青葉区川内27-1) で開催された平成23年度 化学系学協会東北大会において過渡電流観察によるリチウム電池炭素導電助材と集電体の微小剥離の解析について報告している過渡電流観察によるリチウム電池炭素導電助材と集電体の微小剥離の解析4)。
○川田聖人,…らは、2010年に岩手県盛岡市上田三丁目18番8号 岩手大学で開催された平成22年度化学系学協会東北大会においてアルミニウム集電体の皮膜形成に対するプライマー塗布の効果について報告しているアルミニウム集電体の皮膜形成に対するプライマー塗布の効果5)。
○佐藤和美,…らは、2005年に熊本で開催された電気化学会第72回大会において電気二重層キャパシタの内部抵抗と集電体表面処理について報告している電気二重層キャパシタの内部抵抗と集電体表面処理6)。
Chengx…らは、2008年にInvestigation of the anodic behavior of Al current collector in room temperature ionic liquid electrolytesについて報告し、室温イオン液体中におけるアルミニウム集電体のアノード挙動に関する研究 【関連講義】卒業研究(C1-電気化学2004~),7)…と述べているInvestigation of the anodic behavior of Al current collector in room temperature ionic liquid electrolytes8)。
田中智…らは、2006年にで開催された表面技術協会第114回講演大会においてリード溶接によるアルミニウム集電体の有機電解液におけるブレークダウン電圧の降下とその抑制について報告しているリード溶接によるアルミニウム集電体の有機電解液におけるブレークダウン電圧の降下とその抑制9)。
○大津拓也,…らは、2003年に大阪府堺市で開催された第44回電池討論会において リチウム電池用有機電解液における合材が接触したアルミニウム集電体上の副反応の抑制について報告している リチウム電池用有機電解液における合材が接触したアルミニウム集電体上の副反応の抑制10)。
立花和宏、佐…らは、2001年にリチウム電池駆動用電解液中におけるアルミニウムの不働態化について報告し、リチウムイオン二次電池の正極集電体に使われるアルミニウムは有機電解液で不働態化する。その不働態化機構は高電場機構であり、水溶液中の反応機構と同じである。しかし水溶液中では溶媒の水がアルミニウム…と述べているリチウム電池駆動用電解液中におけるアルミニウムの不働態化11)。
【関連講義】
【物理量】
【材料】
【試料】
【書籍】
【関連講義】
エネルギー変換化学特論,金属材料~リチウム電池のアルミ集電体の働き~24)
- (1) リチウム電池駆動用電解液中におけるアルミニウムの不働態化
立花 和宏, 佐藤 幸裕, 仁科 辰夫, 遠藤 孝志, 松木 健三, 小野 幸子, Electrochemistry, Vol. 69, No.9, pp.670-680, (2001). - (2) 立花和宏, 仁科辰夫.
エネルギー化学特論:集電体としての金属材料(アルミニウム、銅、ニッケル、チタンなど)
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=4579. (参照2017-08-12). - (3) アルミニウム集電体の皮膜形成に対するプライマー塗布の効果(仮)
川田 聖人, 山形大学 理工学研究科 物質化学工学専攻, 修士論文 (2012). - (4) 過渡電流観察によるリチウム電池炭素導電助材と集電体の微小剥離の解析
○及川俊他,長谷川拓哉,長瀬将太,武田浩幸,山本俊,立花和宏,仁科辰夫,平成23年度 化学系学協会東北大会講演要旨集 (2011). - (5) アルミニウム集電体の皮膜形成に対するプライマー塗布の効果
○川田聖人,立花和宏,仁科辰夫,講演要旨集 (2010). - (6) 電気二重層キャパシタの内部抵抗と集電体表面処理
○佐藤和美,立花和宏,仁科辰夫,遠藤孝志,足高善也,Patrice Simon,尾形健明,電気化学会第72回大会講演要旨集 (2005). - (7) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):アルミニウム|イオン液体界面
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=2711. (参照2009-04-20). - (8) Investigation of the anodic behavior of Al current collector in room temperature ionic liquid electrolytes
Chengxin Peng, Li Yang, Zhengi Zhang, Kazuhiro Tachibana,Yong Yang, Shiyong Zhao, Electrochimica Acta 53(2008)4764-4772, (2008). - (9) リード溶接によるアルミニウム集電体の有機電解液におけるブレークダウン電圧の降下とその抑制
田中智,表面技術協会第114回講演大会講演要旨集 (2006). - (10) リチウム電池用有機電解液における合材が接触したアルミニウム集電体上の副反応の抑制
○大津拓也,立花和宏,遠藤孝志,仁科辰夫,尾形健明,第44回電池討論会講演要旨集 (2003). - (11) リチウム電池駆動用電解液中におけるアルミニウムの不働態化
立花 和宏, 佐藤 幸裕, 仁科 辰夫, 遠藤 孝志, 松木 健三, 小野 幸子, Electrochemistry, Vol. 69, No.9, pp.670-680, (2001). - (12) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):アルミニウム|有機電解液界面
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=2075. (参照2008-03-09). - (13) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):アルミニウム|炭素導電助材
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=813. (参照2006-08-01). - (14) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):集電体|活物質(界面)
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=2073. (参照2008-03-09). - (15) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):バルブメタルのアノード酸化とエッチング
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=1596. (参照2007-08-16). - (16) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):電気二重層キャパシタ(EDLC)
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=827. (参照2006-08-30). - (17) アルミニウム箔, 仁科研究室(南東側)たたみ部屋, 立花 和宏, (2010).
- (18) アルミニウム箔, 仁科研究室(南東側)たたみ部屋, 立花 和宏, (2010).
- (19) トーヤルカーボ, 仁科教授室(西側), 立花 和宏, (2011).
- (20) エッチドアルミ箔, 仁科研究室(南東側)たたみ部屋, 立花 和宏, (2005).
- (21) 5/9東アル1, 仁科研究室(南東側)たたみ部屋, 立花 和宏, (2005).
- (22) 永田伊佐也.
電解液陰極アルミニウム電解コンデンサ
. 日本蓄電器工業株式会社, 1997. . - (23) 馬場宣良.
電解法による酸化皮膜
. 槇書店, 1996. . - (24) 立花和宏.
エネルギー化学特論:金属材料~負極活物質と集電体の働き~(2011_H23)
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=3266. (参照2011-06-29). - (25) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):リチウムイオン二次電池
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=1064. (参照2006-12-06).