IT技術活用による生き残り戦略

 IT技術は、端的に言えば便利である。
それ故に教育に取り入れることで、利便性を活かした新たな教育、教育の質の向上が期待できる。
しかし、それを導入・維持・管理・更新するコストや手間も同時に発生する。
資金は有限であるが故、そのコストに見合ったリターンがあるのか、今ある物で何か手立てできないか、慎重な選択が必要である。
 その中でもzoomを使ったオンライン講義は非常に効果的だと実感している。
インターネット環境という前提条件こそあるが、講義室という場所に縛られることが無く、柔軟性があると言える。
不測の事態でもオンライン講義という第二の選択肢が取れるようになったのは、計画へのダメージが少なくて済むだろう。
 教育による生き残り戦略とは、それ即ち現代のITに通ずる人材育成に他ならないが、何でもかんでもIT技術を投入することが正解なのだろうか。
小中学校へのタブレット端末の普及は教育へのIT技術投入の例であるが、それでITに通ずる人材が育つのだろうか。
そして、教育側は果たして十分ITに通じているのだろうか。質の良い人材育成には同じ質の教育レベルが求められる。
こればかりは難しい課題ではある。
IT技術の歴史は100年も経っていない。まだ人間は世代交代をやっと1回したかといったところである。
そして出遅れたのであれば、そこから巻き返すには相当な成長速度を要求せざるを得ない。
その速度を満たす為には、育つ側だけでなく育てる側も成長する必要があると私は考える。
 故に、IT技術は教育される側だけでなく教育する側への投入も必要だと考える。