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20180301更新

緒言

アルミニウム電解コンデンサのカソードに使われる導電性高分子(PEDOT/PSS)は驚くべきことに実は非導電性である。以前、導電性高分子膜(膜厚:0.1mmくらい)にテスターを当てたところ、約30kΩ   もの直流抵抗を記録した。交流抵抗も1kHz時でkΩレンジであった。嘘つきは泥棒の始まりである。しかし、添加剤を加えることで導電性高分子の抵抗(直流・交流)は劇的に低下する。

つまり、導電性高分子はただの高分子で、導電性を持たせた張本人は添加剤である。スタッフはこの添加剤の役割を知るべく、アマゾンの奥地へ飛んだ。

実験方法

アルミニウム箔、導電性高分子分散液、LCRメーター、洗濯ばさみ画鋲セル、添加剤、iPhone7、ストップウォッチ、実験を楽しまずにはいられない心を用意した。表1に詳細を示す。

Table.1 準備したやーつ(使用器具・使用試薬)

製造会社/名称 型番 鷹山ID
アルミニウム箔 A1085 ChemicalSample: -
導電性高分子分散液 -Confidential- ChemicalSample: -
NF/LCRメーター ZM2355 Tool:135
洗濯ばさみ画鋲セル 50V-55 Tool:3506
添加剤 -Confidential- ChemicalSample:
Apple/iPhone7 MNCP2J/A -
CASIO/ストップウォッチ HS-3C-8AJH -

尚、実験を楽しまずにはいられない心は各自で持参したので、ご了承願いたい。

2.1アノードの作成

アルミニウム箔(A1085,A4シート)をSUSバケツに入れた5wt%アジピン酸アンモニウム水溶液中で50Vまで定電流化製法でアノード酸化した。 この際、定電圧による電流の絞り込みは行わなかった。アノード酸化したアルミニウム箔をいい感じの裁断機で3cm×4cmに切り出した。次に   ディスポスポイトを用いてアルミニウム箔の上に導電性高分子分散液を0.5ml滴下し、熱風乾燥器「そよかぜ」を用いて80℃・30分の条件で乾燥させ、アノードとした。

2.2カソードの作成

プラスチックまな板の上にクッキングペーパーを敷き、アルミニウム箔(A1085)を乗せた。このアルミニウム箔を皮ポンチ(φ=11mm)を使って円形に打ち抜き、カソードとした。

2.3モデル固体電解コンデンサセルの作成

アノードの導電性高分子の部分にいい感じにカソードを乗せ、洗濯ばさみ画鋲セルの矜持部で挟み込み、モデル電解コンデンサセルを作成した。電池式は以下の通りである。

 (画鋲)| Al | Al2O3(50V) | 導電性高分子 | Al (画鋲)

2.4LCRメーターを用いたインピーダンスの測定

まずiPhone7のカメラを起動し、LCRメーターのモニターを撮影開始した。次にモデル電解コンデンサセルを一旦アノード・カソード・洗濯ばさみ画鋲セルにばらし、   ディスポスポイトを用いて添加剤を一滴、アノードの導電性高分子の上に垂らした。急いでカソードを添加剤の上に乗せ、洗濯ばさみ画鋲セルの矜持部で挟み、   画鋲のピンをLCRメーターのケルビンクリップで挟んだ。この間まさかの20秒である。(体感時間)(コーナーで差をつけろ)

ケルビンクリップで挟み込んだ瞬間にストップウォッチを押し、測定開始である。測定条件はf=17{kHz}、Vrms=0.5{V}、室温=25{℃} 時間=3600{s}である。ちなみに周波数は研究者の勘。

結果と考察

インピーダンスの時間変化のグラフをFig.2に示す。

Fig.2 インピーダンスの時間変化

添加剤を加えることで、インピーダンスが低下していくことがわかった。導電性高分子が役割を成し始めた瞬間である。しかしながら、2.4節で述べた通り、   添加剤を加えてから20秒経過してからの測定であり、厳密な0点から始めたわけではない。次回に期待である。

Fig.3 位相角の時間変化

添加剤を加えると位相角が-90°へと低下した。インピーダンスの結果と合わせて、導電性高分子中の抵抗が小さくなり、17kHzにおいてAl2O3のコンデンサ成分が見え始めてきたのかなのと思う。

Fig.4 これこれプロットの時間変化  

なんどもいってるけどどーでんせーこうぶんしのていこうがっがががががががががががっがががががが・・・    !グラフの実況をしろ!

知識は力なり  

次やること

導電性高分子に添加剤が染み込んだってことにしよう、そうした場合、実際どこに染み込んでんねん?!?!?ってことを調べる。