キーワード:接触抵抗、電気感受率、カーボンナノチューブ、分散剤
リチウム二次電池のアルミニウム(Al)集電体と正極複合材料の間の接触抵抗Rcを表す式は、次のように導き出される。
(1)Rcは、Al酸化膜の厚さと複合材料の見かけの電気感受率χeに比例する。
(2)活物質をカーボンナノチューブ(CNT)でコーティングすると、χeが減少するため、Rcが低下する。
(3)χeは、複合材料の成分iの寄与率Ciによって定式化でき、Ciは複合材料の分散条件によって決定される。
リチウム二次電池の内部抵抗は、正極複合材料とアルミニウム(Al)集電体の間の接触抵抗Rc、溶液抵抗、および反応抵抗で構成される。 Rcは、集電体上の酸化アルミニウム(Al2O3)膜の厚さ、複合材料の構成要素、および複合材料の分散状態によって大きく異なる。 活物質がAl2O3膜と接触するとRcが増加する。 集電体にカーボンアンダーコーティングを施すと、Rcが低下する。 下塗り剤としてのアセチレンブラック(AB)とカーボンナノチューブ(CNT)の性能はほぼ同じである。 活物質を含む複合材料に特定のCNTを添加すると、Rcが低下する。
複合材料とAl集電体の間の接触抵抗Rcは、膜抵抗率ρ、材料の電気感受率Xe,iおよび複合材料の分散条件によって決定される寄与率Ciを使用して定式化できる。
Rc = (ρ0 ∑ ci χei + ρ0) (d + d0)
分散が困難なCNTなどの一部の炭素の接触抵抗Rcは、複合スラリーの状態に強く影響された。
・Onodera, S., Kato, N., Ito, T., Ito, T., Tachibana, K. and Nishina, T. (2015). The Effect of Dispersion Degree of Positive Electrodes Containing Carbon Nanotubes with Identical Composition on Contact Resistance in Lithium Ion Secondary Batteries. Electrochemistry, 83(5), 386-388(2015), (submitted).
https://www.jstage.jst.go.jp/article/electrochemistry/83/5/83_14-E00137/_pdf/-char/ja