トランジスタは図1のようにn-p-nまたはp-n-pのサンドイッチ型接合体のものが利用される。 これを接合型トランジスタという。 このうち、きわめて薄い中間層をベース、両側の半導体のうちの一方をエミッター、他方をコレクターと呼ぶ。 中間層は1/100mm程度であり、全体の寸法は2~3mm程度である。また、図2に結線図におけるトランジスタの記号を示す。
図1よりエミッターEの方が順方向に、コレクターの方が逆方向に電圧が印加されていることがわかる。 Eの方には電流が流れ、きわめて薄いベースBを抜けてCに入り、Cにも電流が流れる結果になる。 抵抗Rを大きくしておいて、E側に入力電圧を印加するとこれが大きく増幅されてC側に現れる。 全体の電流は変わらないのにRが大きいためオームの法則によって電圧が大きくなるからである。 これがトランジスタにおける性質の1つである増幅作用の原理である。
現代の電気化学 企画・監修 小沢照弥 p176 7.1.2 接合型トランジスタ
現代物理化学序説 改訂版 井上勝也=著 培風館 p217 d.半導体の応用