2018/05/21 輪講

15512011 今井 直人

電池とは

化学反応(酸化還元反応)を利用して化学エネルギーを電気エネルギーとして取り出す装置を電池という。イオン化傾向の異なる2種類の金属を電解質溶液に浸すと電池ができる。

ダニエル電池について

ダニエル電池 (Daniell cell) とは、亜鉛板をいれたZnSO4水溶液と銅板をいれたCuSO4水溶液を、電解液が混じらないようにセロハンや素焼き板で区切ってできる電池である。



図1 Daniell電池


25℃の水溶液系での標準電極電位は、Zn極が−0.763 V vs. NHE, Cu極が0.337 V vs.NHEの電位を示す。両極間の電位を測定すると、1.10 Vの電位差が得られる。これを電池の起電力 (electromotive force) と呼ぶ。 両極端に同一の金属導線を接続すると、線中を電位が貴なCu極側から電位が卑なZn極側に電流が流れる。電子は電流とは逆方向に流れる。このとき、電極の表面では
Zn → Zn2+ + 2e−
Cu2+ + 2e− → Cu
の反応が起こる。Zn極がアノード、Cu極がカソードとなる。電池内の全変化(電池反応または起電反応)は以下のように表せる。
Zn + Cu2+ → Zn2+ + Cu
このような電池は下記のような電池式で表される。
Zn| Zn2+||Cu2+|Cu
アノードを左、カソードを右に書く約束がある。さらに電池式で用いられる約束で、|は異相海面を、||は適当な手段で液間電位を除いた液路を示す。
電池の起電力はカソード電位からアノード電位を引いたものと定義する。
Ecell = Ec −Ea

参考文献

サイエンスビュー化学総合資料. 改訂版, 実教出版, 2005, 256p
改訂版フォトサイエンス化学図録. 改訂版, 数研出版, 2013, 272p.
山下正通ら. 現代の電気化学. 初版, 新星社, 1990, 329p.