課題11-03ダニエル電池の作成手順と単極電位の測定
1.設問
問1.ダニエル電池と銀塩化銀電極の測定実験について、自分が実際に実験をするときの手順をイメージし、準備するもの(名称と数量)を記述してください。
問2.ダニエル電池と銀塩化銀電極の測定実験について、テキストを読んで、自分が実際に実験するときの手順をイメージして、その実験手順を記述してください。
問3.ダニエル電池と銀塩化銀電極の測定実験について、実験をイメージして、ダニエル電池の作成手順を記しなさい。
問4. ダニエル電池と銀塩化銀電極の測定実験について、実験をイメージして、銀塩化銀電極の作成手順を記しなさい。
問5.ダニエル電池の電池式を記述してください。
問6.ダニエル電池の起電力とその単極電位を記しなさい。
問7.ダニエル電池の起電力と銀塩化銀電極対する単極電位の測定手順を、自ら実験するイメージで記しなさい。
2.回答
問1
準備するものについて表1に示す。
表1 準備する道具一覧
名称 | 数量 |
---|---|
ビーカー | 4 |
ダブルクリップ | 4 |
4mm ワッシャー付きネジ | 4 |
4mm ナット | 4 |
白金電極 | 1 |
銅電極 | 1 |
亜鉛電極 | 1 |
銀電極 | 2 |
電池ボックス | 2 |
充電池 | 2 |
電流計 | 1 |
電圧計 | 1 |
デジタルテスター | 1 |
可変抵抗 | 1 |
塩橋 | 4 |
駒込ピペット | 1 |
みの虫コード | 10 |
洗浄びん | 1 |
ノギス | 1 |
スイッチ | 1 |
ホールピペット | 1 |
安全ピペッター | 1 |
廃液入れ | 1 |
ピンセット | 1 |
両面テープ | 1 |
紙やすり | 1 |
0.01 mol/dm3硫酸亜鉛水溶液 | 適量 |
0.01 mol/dm3硫酸銅(Ⅱ)水溶液 | 適量 |
純水 | 適量 |
0.01 mol/dm3塩酸 | 適量 |
3 mol/dm3硝酸水溶液 | 適量 |
飽和塩化カリウム溶液 | 適量 |
問2
銀塩化銀電極を2つ作成する。(銀塩化銀電極の作成手順は問4に記す。)
ビーカーを2つ用意し、どちらにも飽和塩化カリウム溶液を入れ、それぞれのビーカーに銀塩化銀電極をダブルクリップ, 4 mmワッシャー付きネジ, 4 mmナットで各ビーカーの内容液に電極の一部が浸かるように1本ずつ固定し、それらのビーカーに塩橋をかけ、2つの電極の電位差をデジタルテスターで測定し、その値が5 mV以内である事を確認する。
ダニエル電池を作成する。(作成手順は問3に記す。)
作成したダニエル電池の銅電極と、銀塩化銀電極を用いて銅電極の単極電位を測定し、同様にダニエル電池の亜鉛電極と、銀塩化銀電極を用いて亜鉛電極の単極電極を測定する。(問7参照)
再び銅電極を固定したビーカーと亜鉛電極を固定したビーカーに塩橋をかけ、ダニエル電池を作成し、デジタルテスターを用いてダニエル電池の起電力を測定する。
先に測定した銅電極の単極電位と亜鉛の単極電位からダニエル電池の起電力を計算し、実際に測定した起電力と一致するか確認する。
問3
ビーカーを2つ用意し、片方には0.01 mol/dm3硫酸亜鉛水溶液を入れ、もう1つには0.01 mol/dm3硫酸銅(Ⅱ)水溶液を入れる。
ダブルクリップ, 4 mmワッシャー付きネジ, 4 mmナットで亜鉛電極を硫酸亜鉛水溶液を入れたビーカーに、銅電極を硫酸銅(Ⅱ)水溶液を入れたビーカーにそれぞれビーカー内容液に電極の一部が浸かるように固定する。
机に両面テープを貼り、ビーカーを机に付ける。
それぞれのビーカー内容液に塩橋の端が浸かるように塩橋を入れる。
以上のようにしてダニエル電池を作成する。
問4
銀電極を1つ用意し、それを紙やすりで研磨する。
研磨し、露出した清浄な金属面を3 mol/dm3硝酸水溶液で前処理し、純水で洗う。
ビーカーに0.1 mol/dm3塩酸を入れ、ダブルクリップなどで研磨などをした銀電極と、白金電極をそれぞれ電極の一部がビーカー内容液に浸かるように固定する。
ビーカーを両面テープで固定し、図1のような回路を作る。
図1 回路図
可変抵抗を用いて電流密度が0.8 mA/cm2になるように調整し、15分程度電解する。
以上のようにして銀塩化銀電極を作成する。
問5
ダニエル電池の電池式は次のようになる。
(-)Zn|ZnSO4 aq||CuSO4 aq|Cu(+)
問6
ダニエル電池の起電力:1.067 V 銅電極の単極電位:39.1 mV (0.0391 V), 亜鉛電極の単極電位:-1.022 V
問7
ビーカーに飽和塩化カリウム溶液を入れ、ダブルクリップなどを用い、問4で作成した銀塩化銀電極をビーカー内容液に電極の一部が浸かるように固定し、問3で作ったダニエル電池の各ビーカー及びそこに固定された電極を用意する。
銀塩化銀電極を固定したビーカーとダニエル電池を作っていた銅電極を固定したビーカーに塩橋をその各端がビーカー内容液に浸かるように入れる。
デジタルテスターを用いて銀塩化銀電極を基準とする銅電極の電圧(銅電極の単極電位)を測定する。
次に、銅電極の単極電位を測定したのと同様の手順で、銀塩化銀を固定したビーカーと亜鉛電極を固定したビーカーに塩橋をかけ、デジタルテスターで銀塩化銀電極を基準とする亜鉛電極の電圧(亜鉛電極の単極電位)を測定する。
問3と同様にダニエル電池を作り、デジタルテスターのリード棒(黒)を亜鉛電極に、リード棒(赤)を銅電極に付けダニエル電池の起電力を測定し、先に求めた銅電極と亜鉛電極の単極電位の結果からダニエル電池の起電力を求め、実際の測定結果と一致するか確認する。
以上のようにしてダニエル電池の起電力と銀塩銀電極に対する単極電位を測定する。
3.参考資料
・化学実験Ⅰ~実演動画集~ 抵抗尺を使ったダニエル電池の起電力の測定
https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/Public/53204/53204.asp#MovieDanielBattery